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「お嬢様。」

第5章 あなた

「ほら」

あたしが近付くと

がばっと覆いかぶさって

彼の長いまつげがあたしの瞼を

優しく触った。

唇と唇がねっとり合わさる。

「なにもしないってゆっ.......」

両手はがっちり捕まえられてる。

あたし、

このひとに抵抗できない。

「すきだよ、姫.......花蓮.......」

初めて、聞いた。

丸い目でみると龍太郎さんは

少しだけど、顔を背けた。

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