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「お嬢様。」

第5章 あなた

目を覚ますと

隣に龍太郎さんの寝顔が見えた。

あたしは泣き過ぎて

目が腫れてるのが

鏡をみなくてもわかった。

「ん.......」

龍太郎さんは、ねぼけてるのか、

あたしをぎゅぅっと抱きしめる。

ドキドキよりも

ぬくもりに安心してる。

長いまつげが

ゆっくり開く。

「.......花蓮?」

目を擦りながら

龍太郎さんがあたしを見る。

はは、と笑いながら

「目、腫れちゃったな」

あたしも少し苦笑い。

「ごめん。

花蓮の家だとなにかと

してあげられないから

うち連れて来ちゃった。」

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