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それでも好きな人

第7章 過去と未来



美鈴「…」

拓真「美鈴ちゃん、服着て…」

美鈴「…うんっ」


いつの間にか
雨は止み空は透き通っていた
晴れてきたし、もう少し二人でいたかっ
たが
時間的にも
これ以上は無理だった


美鈴「…」

拓真「香苗が心配するから帰ろう」

美鈴「…そうだね」


拓真と一定の距離を保ち歩いていた美鈴
二人で一緒にいられるのも
あと少しだけ
家族に
義理の兄、妹に戻るその前に
拓真に伝えたい、伝えなければいけない
ある想いがあった
それは…


美鈴「…」

拓真「…」

美鈴「お義兄さん!!」

拓真「?」

美鈴「私、何も望まないから」

拓真「えっ?」

美鈴「お姉ちゃんと離婚して欲しいとか
子供が欲しいとか言わない」

拓真「…」

美鈴「都合の良い女でいいから、だから
捨てないで…」

拓真「美鈴ちゃん…」

美鈴「一人に…しないで…」


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