それでも好きな人
第9章 秘密のチケット
その日
美鈴はある夢を見た
気持ちの乱れが影響したのか
すごく現実的で近い将来、起こりそうな
夢を…
美鈴『お義兄さん、あのね』
拓真『ごめん…もうこういう事はやめよ
う…』
美鈴『もしかしてお姉ちゃんに?』
拓真『違う、ただ気づいたんだ…自分の
本当の気持ちに…』
美鈴『本当の…気持ち?』
拓真『僕は香苗が好きだ、香苗だけを愛
してる』
美鈴『お義兄さん…』
拓真『さよなら美鈴ちゃん』
美鈴『待って…お願い待って!!』
必死に手を伸ばし
引き止めようとする美鈴
だけどその手が拓真に届く事はなく
拓真の姿は
消えていってしまった
美鈴「…お義兄…さん…」
美鈴は泣いていた
涙を流し、その涙は頬を伝い…
枕に落ちる寸前、誰かの指に受け止めら
れた
美鈴「…!?」
拓真「…」
美鈴「お義兄さん…」
夢か現実か
美鈴の目の前には
別れを告げ去ったはずの拓真がいた