それでも好きな人
第12章 疑惑
美鈴「えっと…」
その時
美鈴はトイレに行き
パーティー会場に戻る途中だった
広いホテル
少し迷ってしまい
ようやく会場を見つけドアに手をかけた
その時…
智之「…」
美鈴「あっ、すいません」
智之「どうも」
美鈴「…」
智之を先に行かせ
入れ代わるように会場へ入った美鈴
だけど
智之とすれ違った時
微かに香った男性用の香水
智之とは今日、初めて会ったはずなのに
その匂いに
どこか覚えがあり
しかも…
美鈴「…!!」
急に体が震え
膝から落ちてしまった
見る見る内に顔色も悪くなり
気持ち悪くて吐きそうになってしまって
いた
美鈴「うっ…ぐっ…」
ここで吐くわけにいかず
手で口を押さえトイレに移動しようとす
るが
思うように力が入らず
一人で立ち上がる事が出来なかった
美鈴「…うっ」
拓真「美鈴ちゃん、大丈夫だから…」
美鈴「あっ…お議兄さ…っ…」
拓真「大丈夫だよ」