それでも好きな人
第17章 罠
ガチャ(玄関を開ける音)
香苗「…」
無用心にも
玄関は開いたままで
すんなり中に入る事が出来た
足音を立てないように気をつけながら
まるで
泥棒のように
香苗は部屋の中を見て回った
香苗「…いないか」
一階に
二人の姿はなく
どうやら二階にいるようだ
鳴らないよう携帯の電源を切りカバンに
しまうと
香苗は二階の美鈴の部屋へ
ゆっくり向かった
香苗「…」
一段一段
階段を上って行き
美鈴の部屋の前に到着した
だけど香苗は部屋の前で止まったまま
動かず
聞き耳を立て
しばらく中の様子を伺っていた
香苗「…」
だけど
何も聞こえない
もしかしたらいないのかもしれない
そう思い立ち去ろうとした
その時…
まさにその時だった…
美鈴「ハァハァ、お義兄さ…あんっ」
拓真「いいの?」
美鈴「う、んっ…あんっ、あぁ」
香苗「…!!」