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それでも好きな人

第18章 さよなら



美鈴「倒れ…た…お母さん…が…」

拓真「美鈴ちゃん?」

美鈴「お母さ…お母さんが…」


電話の向こうで
康太が必死に話していた
自分に代わって拓真が話しを聞いてくれ
ていて
ところどころ
会話は聞こえていたが
頭が真っ白で何も考えられなかった


拓真「わかった、もしまた何かわかった
ら連絡して、それじゃあ」

美鈴「…」

拓真「お義母さん、入院中で危険な状態
だって」

美鈴「!?」

拓真「手遅れになる前に帰らないと」

美鈴「無理…無理だよ…だって…だって
どんな顔でお母さんに会えばいいかのか
わからないよ…」

拓真「大丈夫、僕も一緒に行くから」

美鈴「拓真さん…」

拓真「取り返しがつかなくなる前に早く
早くお義母さんに会いに行こう」

美鈴「…うんっ」


家を出た時は
二度と戻らない覚悟だった
だけど母が入院をし危ない状態だと聞き
気持ちが揺らいだ
もし万が一
万が一の事があったら…

そう思うと一刻も早く戻らずには
いられなかった



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