それでも好きな人
第2章 失恋
それからの事は
何を食べたのか何を話したのか
全然、全くと言っていいほど何も覚えて
いない
ただ覚えているのは二人が
香苗と彼、拓真が仲よさ気に楽しそうに
話していた事だけ
それだけ…
香苗「ねえ美鈴、これどうかな?」
美鈴「うん、いいと思うよ」
それから
とんとん拍子に話しは進み
香苗は拓真と入籍し結婚してしまった
拓真の両親は
拓真が幼い頃に病死していた為
嫁姑問題もなく寝たきりの母の事を考え
4人一緒に住む事に
その事に
香苗も母も大喜びした
女だけの生活は何かと不便や危険があり
香苗も実家を離れる事に抵抗があった為
拓真と一緒に暮らす事は喜ばしい
最良の案
だったが…
美鈴「…」
美鈴には苦痛の始まりだった