それでも好きな人
第6章 喜びと悲しみ
美鈴「…」
コンコン(ドアをノックする音)
拓真「美鈴ちゃん、いい?」
美鈴「…お義兄さん」
拓真「学校でなんかあったの?」
美鈴「…」
拓真「美鈴ちゃん?」
美鈴「お義兄さん…わた…し…」
拓真「?」
震える手で拓真の腕に縋り
涙目で妊娠した事を伝えようとした
だけど…
香苗「何してるの…」
美鈴「!?」
拓真「香苗」
香苗「ねえ美鈴、拓真?」
美鈴「学校の事…聞いてただけ…」
香苗「そうなんだ」
拓真「…」
香苗「拓真、ちょっといい…」
拓真「うん」
美鈴「あ…」
香苗に呼ばれ
行ってしまった拓真
だけどこの時、拓真を引き止めていれば
もっと早く妊娠の事を話せていれば
あんな事には
あんな悲しい結果には
ならなかったかもしれない…