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華のしずく~あなた色に染められて~

第25章 【花屑(はなくず)~華のしずく~】

「義父上は自らお生命を絶たれ、寺に火を放たれたそうだ」
 ふと、寧子の脳裡に弟秀継の顔がよぎった。
「殿、秀継殿は、秀継殿はどうしておられましょうか」
 と、典房が言い淀んだ。寧子の胸が警鐘を鳴らす。
「まさか、秀継殿も―」
 典房が苦渋に満ちた表情で言った。

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