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華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「骨董屋なんて者は、客には皆そう言うもんだ」
 少しも動じない主に、青年が呆れたような表情になった。
「何も知らない癖に、お宝だとおおぼらを吹いて、俺に買わせようと思っていたわけだな」
 と、主が人差し指でポリポリと頭を掻く。殆ど薄くなった頭髪を意地のようにひっつめてこしらえた貧相な髷がちょこんと頭にのっている。

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