テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意

「構わねえ」
 言い切ると、龍伍は、もう浅太を見向きもしない。その整った横顔は、浅太には見慣れた龍伍ではなく、どこかの見知らぬ他人のように見えた。
「お頭、子どもたちは、どうするんだ? 俺たちがとっ捕まっちまったら、この子たちの面倒は誰が見るんだ?」
 浅太が言うのへ、龍伍は微笑む。
「俺たち、じゃねえ。俺一人だ」
 浅太の眼が大きく見開かれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ