華のしずく~あなた色に染められて~
第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意
「そんな―、水臭えじゃねえか。俺たちはずっと、何をするのも一緒だった。生きるも死ぬのも命運を共にするんだと約束した。それなのに、お頭は一人でやるって言うのか!?」
「ああ、俺一人でやる。お前には、こいつらのことを頼む」
龍伍は居並ぶ子どもの顔をひとわたり見回した。飾り職の倅の丑松の顔も見えた。つぶらな瞳が真っすぐに向けられている。これらの無垢な心を巻き添えになぞできるものではない。
龍伍の顔には、決意の色が見えた。
浅太は龍伍が既に死を覚悟していることを悟った。
「ああ、俺一人でやる。お前には、こいつらのことを頼む」
龍伍は居並ぶ子どもの顔をひとわたり見回した。飾り職の倅の丑松の顔も見えた。つぶらな瞳が真っすぐに向けられている。これらの無垢な心を巻き添えになぞできるものではない。
龍伍の顔には、決意の色が見えた。
浅太は龍伍が既に死を覚悟していることを悟った。