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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

 珠々が何か言おうとした時、馬上の若者が口許を歪めた。まるですべてのものを見下したような冷徹な視線、嘲笑を浮かべたかのような皮肉めいた笑い、それは見る者の心を瞬時に凍えさせるような、ゾッとするものを感じさせた。
「今日は天気も良いゆえ、獲物を期待して参ったが、目論みが外れて落胆しておった。だが、ここまで来て、思いがけぬ獲物が見つかった」

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