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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

 珠々が固唾を呑んで男を見つめていると、男は口の端を引き上げた。
「見かけは聡いようだが、まだまだ子どもだな。歳は幾つになる?」
―素直になど応えてやるものか。
 珠々が唇を固く引き結ぶ。男はニヤリとまた皮肉めいた笑いを刻んだ。
「強情な娘だ。ま、ただ大人しいだけの女子よりはよほど馴らし甲斐があるというものだがな」

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