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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

 長い廊下を辿った先には、湯殿があった。いや、湯殿というのは正しい呼び方とは言えない。廊下を抜けた先に、いきなり岩で囲まれたいで湯のようなものが現れ、珠々も息を呑んだ。一応、四阿風に天井と周囲を木の壁で囲ってはいるものの、苔むした岩を見る限り、天然の温泉をそのまま風呂として利用しているようだ。あの男はかなりの変わり者なのかもしれなかった。

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