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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

 伐った梅の花をそのまま持ち帰るという侍女をひと足先に帰し、徳姫は翌朝、自分で伐ったその枝を二ノ丸まで届けることにした。伴をするという柏木に徳姫は笑って首を振った。
「仮にも殿のお母君さまのおん許にゆくのです、伴を連れて仰々しうにお伺いするのも考えもの、私一人で十分じゃ」

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