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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

 珠々は今、小さな川の浅瀬に立っていた。川と言っても、せせらぎを少しマシにした程度のもので、ささやかな流れである。ほんの半刻余り前、珠々はここに洗濯にやって来たのである。
 毎朝、ここへ洗濯に来るのは十五になる珠々の役目となっていた。早くに亡くなった父の代わりに、母は女手一つで珠々たち三人の子どもを育ててくれた。珠々の下には五歳下の妹、更に五歳下の弟がいる。

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