無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　これがあの、信晴に見つめられただけで、怯えて眼を伏せた徳姫かと疑いたくなるほどの変わり様である。今、徳姫は真っ直ぐに信晴を見据えていた。
「何だと！？」
　信晴の眉がはね上がる。癇性らしく、額に青筋がくっきりと浮かんだ。
「花は精一杯咲いております。無益な殺生はなさいますなと申し上げたのでございます」
　徳姫がきっぱりと断じると、信晴が鼻で嗤った。