華のしずく~あなた色に染められて~
第8章 【雪の華~華のずく~】 三
「小賢しきことを申す女子よの。実家の威勢に物言わせて、このわしを侮りおるか」
と、徳姫は大きく首を振った。
「折角咲いた花を伐ったことだけでも哀れで罪深きことにございます。それでも、大切に世話をしてやれば、花の寿命はのびまする。その生命の限り、花の生涯をまっとうさせてやろうとは思われませぬか」
「ホウ、そちの父が切支丹(キリシタン)であることはつとに有名だが、先ほどの大仰な物言いも大方は情け深き父親の受け売りか?」
「―」
と、徳姫は大きく首を振った。
「折角咲いた花を伐ったことだけでも哀れで罪深きことにございます。それでも、大切に世話をしてやれば、花の寿命はのびまする。その生命の限り、花の生涯をまっとうさせてやろうとは思われませぬか」
「ホウ、そちの父が切支丹(キリシタン)であることはつとに有名だが、先ほどの大仰な物言いも大方は情け深き父親の受け売りか?」
「―」