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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

「ひとめ見て気に入ったのじゃ。おとなしう致せば、大切にして栄耀栄華も思いのままの暮らしをさせてやろうほどに」
 その刹那、珠々の躰の芯を鋭い衝撃と痛みが貫いた。珠々は迸るような悲鳴を上げ、華奢な躰を弓なりにのけぞらせた。それは、まるで可憐な花が手折られ、花びらを散らすのにも似ていた。
 あまりの衝撃と痛みに珠々は小刻みに躰を震わせていた。大粒の涙がとめどなく溢れて、頬をつたう。

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