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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

「でも、信晴どののお気持ちも判るような気がする。こんなに可愛らしい姫だもの、きっと照れ臭くて上手く立ち回ることがでおできにならぬのであろう」
 貞心院は笑いながら立ち上がると、次の間に控えた侍女に小声で何か申しつけていた。戻ってくると、部屋の障子を閉めた。
「そなたには申し訳なきことじゃが、多分、信晴どのはまだ素直になれないでいるだけだと思うのです。見かけはご立派な大人にお見受け致しても、中身はまだ子どもでおわすゆえ」

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