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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

 などと、当の信晴本人が耳にすれば、激怒するようなことを平然と言った。十八歳の、既に成年に達した信晴も母の貞心院から見れば、子どもも同然のような口ぶりである。
 ほどなくお付きの若い侍女が戻ってきた。貞心院の言いつけで何かの品を取りにいってていたようだ。
 貞心院は侍女にねぎらいの言葉をかけると、両手に包みを捧げ持つようにして、徳姫の傍に座った。

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