テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第13章 【残菊~華のしずく~】一

 元服と同時に時治は側小姓から近習に取り立てられ、秀吉に仕えている。以前のようには逢えなくなったが、たまに逢えば、恋人同士の甘やかな語らいよりも城中での話、秀吉の話が多い時治であった。小姓時代に秀吉に心酔していた時治は相変わらずの秀吉の賛美論者であり、恋人の五喜でさえ妬けてしまうほど時治は秀吉を敬慕している。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ