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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

「まあ、お前だけ遅れてしまったの?」
 麗子は淡く微笑むと、巾着からわずかに残った米粒を取り出した。
「さあ、お食べなさい」
 手のひらを差し出すと、目白は遠慮がちに麗子を見ていたが、すぐに飛んできて、その上にちょこんとのった。
「いいのよ、お上がりなさいな」
 優しく言い聞かせると、目白は安心したように麗子の手から上手に米粒をついばんで食べた。

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