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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

 蒼い空には雲一つなく、湖の水は澄んで咲き誇る桜の姿を映していた。
 小さくなってゆく目白を眼で追いながら、思わず熱い雫が溢れてきて、麗子は眼許を指先でぬぐった。
―鳥のように羽があれば、自由に思うところへ翔けてゆけるものを。
 ふと、そんな想いが心をよぎる。

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