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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

「そろそろ、ここの桜が見頃だと思いついて、ふらりと来てみたのだが、思いもかけぬ女に逢うたものだ」
 信斉が一歩近づいてくる。
 麗子は思わず、後ずさっていた。
「そなたが鳥たちを相手に日がな過ごしていると誰ぞが申しておったが―、確かに変わり者の姫との噂は間違いないようだ」

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