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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

 信斉が慌てた様子で言った。
「何も咎めているのではない、泣かずとも良いではないか」
 麗子は溢れてくる涙をぬぐって、信斉に向かって叫ぶように言った。
「鳥は―、鳥は自由でございますから。私も鳥のように翼があれば、自由にどこまでも飛んでゆけるもの。私の居る場所は、どこにもない」

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