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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

 赤い打ち掛けがふわりと信斉の前で舞った。好んでよく着る花紋(花の形をした模様)が全体に散った紅い打ち掛けの裾を翻し、麗子は信斉の前から走り去った。ただそれだけの台詞を残して。後には、ただ信斉だけが茫然と立ち尽くしていた。

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