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私ね、実は......

第14章 お泊まり会 9 海でのデート


「ってか、此処海だぞ?!人に見られたらどうするんだよ」

「じゃ、あっち行こう・・・?」

美夏が、こんな大胆な行動に出るのは初めてだ。

「ちょ!!!」

美夏に腕を引かれ、俺たちは岩場の後ろにある雑木林に向かって走っていった。

























「結構奥まで来たね」

「おう・・・」

美夏はまだ俺の腕を引っ張っている。今日のコイツはなんだか可笑しい・・・。

「なぁ、さっきからお前変だぞ・・・」

「・・・」

黙り込む美夏。
だけど、今までとは違う美香の行動に俺は動揺を隠せなかった。

「人前で名前を呼ぶとあんなに、恥ずかしがっていたお前がオナニーなんていうか・・・?普通」

「だ、だって・・・」


美香は相変わらず、下を向いたままだ。

「何かあったのか・・・?だったら、言ってみろよ」

「・・・・でしょ・・・?」

「は?」

ボソボソと小さな声で喋る美夏。
悪いけど、全然聞こえない。

「だって、春海に入れなくて退屈そうだったんだもん!!!私なんかと海に行ったってつまんないだけしょ?!」

「・・・?」

「アユや、直樹と一緒に海に入りたいでしょ・・・?彼女の事情だけで自分が海に入れないってつまんないでしょ?」


涙を堪えているのだろうか。
彼女の声は震えていた。

「美夏・・・」

確かに、海に来たのに入れないのは残念かもしれない。
もしかして、俺は顔に出てたとか・・・?!

「だから・・・春が退屈しないように・・・春はこいう事好きでしょ・・・?」

「ごめん・・・!!!俺、美香に嫌な思いさせちゃったよな・・・」

「いいの・・・私が悪いもん・・・」

「だけど、俺は嬉しかったよ。あんだけ嫌がっていた海について着てくれたし」

「・・・我侭でごめんね」

「こっちこそ。俺のほうが我侭だよ」

だけど、本当に美夏は傷の事を気にしているよな・・・。
俺も少し、気をつけるようにしないと。



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