
私ね、実は......
第2章 事実
家に向かう時俺は必死に頭を働かせて考えた。
どうして、母たちは俺らに同居生活を持ち込んだのか。俺だって、思春期真っ只中の男だ。
夜中にでも、美香を襲うなんてこと考えることくらい出来たはず。
「ね、春!」
「・・・・」
「春ってば!!こっち見ろ馬鹿!」
「おい、馬鹿とは...!!!」
「此処。着いたよ....?」
あれ、と指さされたアパートは入り口からしてもとても大きなものだった。
「はぁ....」
「大きい...」
思わず、ため息が出るほど大きなアパートだった。
「と、とりあえず、部屋にはいるか?」
「う、うん」
玄関を開けると、部屋のドアが3つある。
「おぉ・・・・」
「なんだか、新婚みたいだね!」
繋いでいる手を一層強く握ってくる。
確かに、言われてみると新婚って感じだな....
俺らも数年後は.....
「もーまたニヤケル!!」
「わ、悪ぃ..」
そうして、3つのドアを順番に開けて行くのであった。
