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いつまでも、何年経っても切なくて

第2章 大切な人

「莉子って、涼さんのこと好きじゃなかったんじゃない?」


ドキリとした。まるで響と同じことを言われているようだ。


「莉子はさぁ...」
まだ話が終わってなかったんだとビクッとして姿勢を正す。


「莉子は...まだ自分の大切な人に気付いていないんだよ。」


まぁ、私の口からはこれ以上言えないけどね、と。


私は雅が言い出したことに目を見開いた。
そんなこと、考えたこともなかったから。


そして授業が始まる合図が鳴った。


「あー!私も相談したいことあったのにー」そう雅が言うので可笑しくなって、私たちは笑いながら急いで教室へ戻った。

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