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いつまでも、何年経っても切なくて

第9章 鈍感女

『ちょっ、ちょっと!急すぎるんだけど、そんなに引っ張っらなくても歩くから...』


そういうと盛大な溜め息と共に振り返り私の目を見た。


「何が急だ...あれだけ合図してたのに気付かないなんてマジで鈍感だな、アンタ」


なっ、なんて言い方!


「お前も気付いてたんだろ?佐々木が華のこと好きだってこと。」


その点だけは褒めてやるよ、と宮本は私の綺麗に整えてきたサラサラロングヘアーを両手でワシャワシャ、っとしてしまった。


『ちょっと何すんのよ!』と
慌てて直していると


あとさー、と真面目なトーンで


「俺のこと、可哀想だとか思うなよ。

俺は...母さんが居なくても今充分幸せだから。

俺に気を遣ったりするなよ」

と言った。


そうは言ってもやっぱり寂しいのかな...と心の中で心配して空気が沈んだ気がしたけど


「お前に気を遣われても気持ち悪いだけだから」

とニヤッと憎たらしい顔を見せたので


先程の空気は一瞬にして崩壊した。



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