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いつまでも、何年経っても切なくて

第12章 積極的な彼

乗り物に乗る時以外、宮本は私の手を握っていた。


いちいち嬉しそうな顔をするから
私も顔がゆるんでしまう...


だけどやっぱり頭に浮かぶのは響のこと。
申し訳ないと思いながらも手を振り払えない。


お昼は二人でハンバーガーを食べた。


宮本は「俺、今日超幸せ」
そう言って優しい笑みを浮かべる。


『私もお腹一杯で超幸せ』
と言うと


「お前、そういう意味で俺は言ったんじゃねーよ」
でも、お前らしい答えだな


と私の頭を撫でた...


「さっ、時間ももったいないし、次行くぞ次!」
と再び私の手を握り歩き始めた。


お腹がいっぱいだから、静かな乗り物がいいねって話すと宮本は私を観覧車に連れて来た。


だけど、観覧車ってちょっと危険じゃない?
個室に二人きりって...


心の中で思ってチラリと宮本の顔を見上げると
目が合って


「逃がさねー」


そう言って更に手をギュッと握られた。

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