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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

響が卒業したら地方に行くと
ある日突然私は夕飯の時にお母さんから聞いた


『それ本当なの?

私聞いてない』


「あら、そうなの?」


どうして...響、言ってくれないの?


私と離れても平気なんだね...


私だけ


私だけがこんなに好きなんだね


「莉子は?何かやりたいこと見つかったのか?」
お父さんが聞いてくる


この時期になって何も決まってないのは私くらいかもしれない


私は黙って首を横に振った


それ以上は何も聞いてこなかった


お父さんもお母さんも最近私に気を遣っているのはわかっている。


やりたいことなんてそう簡単に見つかるもんじゃない


これにしなさいと言われて
わかりましたなんて決められるものでもないから


そうやって開き直る自分もどうかとは思うけど

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