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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

週3回お弁当屋さんで働くことにした。


面接の時に今時の高校生は包丁が握れない子が多いみたいだけど、あなた大丈夫?と心配されてしまった


ここはおばちゃんのパートさんが多く
みんな莉子ちゃん、って呼んでくれてすぐに馴染んだ


キャベツの千切りは得意だった
レジはまだ慣れないけど


調理の面で自分に任せられる仕事が増えていく度にやりがいを感じられた


2ヶ月も経つと常連さんに声をかけてもらえることが多くなってきて嬉しかった


気軽にお客さんが従業員に声をかけてくるお店なんて少ないだろう


きっとこのお店の雰囲気がそうさせているんだ


近くには大手のスーパーもあるが
ここは毎日のように夕飯の時間は混み合っている


おばちゃんたちがいつも笑顔でありがとう
またよろしくねと声をかけている


時々お客さんと世間話をして
手が止まっていることもあるが


それもお客さんからしたら愛着が湧くのだろう

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