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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

支度を終えて外に出ると涼ちゃんは片手に
うちのお店のお弁当を持っていた


おばちゃんが二人で仲良く食べてねって
くれたらしい


せっかくだからそこで食べようぜ
と言われて公園のベンチに座った


涼ちゃんはもらったお弁当を旨い旨いと食べて
「莉子、いい所でバイトしてるな」
と言った


味のことだけじゃなく雰囲気とかいろんなことを
含めて言ってくれたんだって伝わった


食べ終えると


涼ちゃんが背もたれに身体を預け
「響と...別れたんだって?」


そう聞いてきた


考えないようにしてたのに


もう考えたって


想ったって


響は離れていくんだよ...


ほら...


涼ちゃんのせいだ


また涙が頬を伝う

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