テキストサイズ

いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

名前を見ただけで涙が溢れだす


『響?』


「18歳になった初日から泣いてんのか?」
バカ莉子、と


『どうして泣いてるのがわかったの?』


「どうしてわからないと思うんだ?

18年も幼なじみやってるっつーの」


響...顔が見たいよ


「莉子、18歳おめでとう...」


『...ヒック...ありが、とう...ヒック...』


「莉子...」


何?


「18年間一緒に居てくれて

ありがとう...」


『ちょっと、まだ早いでしょう!

これ以上泣かすのやめて...』




「俺、






幸せだった...」





もう言葉にならなかった


電話の向こうで響も鼻をすすっていて
泣いているのがわかった


本当のお別れはまだ半年後なのに
二人で今からこんなに泣いててどうするんだろう


ストーリーメニュー

TOPTOPへ