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いつまでも、何年経っても切なくて

第2章 大切な人

☆響side☆


俺と莉子は母親のお腹の中にいる時から隣に住む幼馴染みだ。


物心ついた時から莉子が好きだった。


可愛い顔、細い身体、素直じゃない性格も全部好きだ。


俺と、兄貴の涼と、莉子と三人でよくうちの庭で遊んでた。


いつからだろう、莉子が「ひーちゃん」より「涼ちゃん」って口にする方が多いと感じたのは。


まだ小さい頃、莉子は俺のことを「ひーちゃん」と呼んでいた。


俺が急に言い出したんだ。たった今から「ひびき」と呼べ、と。


兄貴とは違う呼ばせ方で、一人の男として意識して欲しかったんだ。

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