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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

響は住み込みで工場で働くって...
涼ちゃんから聞いた


日帰りで会いに行ける距離ではない
卒業式の次の日に旅立つそうだ


響が私に何も教えてくれないのは
話したくないからなのかもしれない


そう思うと私からは何も聞けなかった


登校日も残り二週間くらいしかなくなった
一緒に居られるのも後わずかだ


私は泣きたい気持ちをグッと堪えて
今日もバイトに向かった


『お疲れさまです!』


元気に挨拶して中に入った



すると珍しくおばちゃんたちが小声で何やら話していた


『どうかしたんですか?』と聞いてみると
大したことないのよ、って返事だったから


私はそれ以上気にしていなかった

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