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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

その日は莉子の誕生日だった
俺はプレゼントを渡すか迷っていたが


あの花の物はもう贈れない
そう考えるともう何を贈ればいいのかわからなかった


莉子は今、俺のことを
俺との関係をどう思っているのだろう


俺は莉子との18年間を振り返り
いつの間にか泣きながら眠ってしまっていた


目が覚めて時計を見ると
後5分で莉子の誕生日が終わってしまうところだった


俺は何も考えずに莉子に電話を掛けていた
莉子の第一声が既に泣き声だった


今すぐ部屋に行って
莉子を抱き締めてやりたかった


俺は、素直な気持ちを莉子に伝えた


18年間ありがとう

俺は幸せだった、って


これから先のことはわからないから
一度けじめをつけたかったんだ


それなのに、自分で口にしたくせに
あまりにも寂しくて寂しくて


また泣いてしまった



俺はいつからこんなに泣き虫になったのだろう





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