テキストサイズ

いつまでも、何年経っても切なくて

第20章 悲しい嘘のはじまり

俺はわざとに兄貴と遥さんの前で
莉子に彼氏がいることを話した


他の男と付き合ってる莉子を
少し苛めてやりたかったから


俺は遥さんと話している莉子を盗み見しながら浴びるように酒を飲んだ


酔っ払っていたはずなのに...


隣で寝ている莉子を横目でチラチラ見ながら

俺の腕の中で甘い声を出していた莉子を思い出して

酔いがさめていった


莉子にどーしようもなく触れたくなって
手をつないだ


莉子の細い指、ぬくもり
全然変わっていない




莉子がアイツのことをどれだけ好きなのか試していると

質問したのは俺なのに


アイツのことを考えながらコロコロと表情を変える莉子に腹が立ってきた


なんで、俺は

莉子じゃなきゃ駄目なんだろう



ずっと莉子だけを想ってきたのに


報われない自分が



惨めに思えてきた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ