いつまでも、何年経っても切なくて
第21章 信じてる
「莉子...
前に倒れて入院した時
俺が原因だったんだろ?
兄貴から聞いてたよ
俺はあの時
莉子に会いに来たんだ
病室の前まで...
それなのに
兄貴に会うなって
莉子は俺が居ない状況に慣れようとして
頑張ってるから
帰れって
莉子に会わせてもらえなかったんだ
あの時
あの時無理にでも
莉子に会えば良かったんだ」
響の話していることに
頭が追い付いていかない
「今回倒れたのも俺のせいなんだろ?
俺は莉子を傷つけたことは悪いと思ってる
だけど
アイツと別れればいいって
言ったことは
本心だから
俺は今でも...」
続きを聞くことはできなかった
なぜなら響の視線の先
病室の入口には
顔を歪めて立っている
達ちゃんの姿があったからだ