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いつまでも、何年経っても切なくて

第21章 信じてる

達ちゃんが帰った後
テーブルの上に置いたままだった袋を開けた


茶碗蒸しが2つと
スプーンが2つ入っていた


お母さんはどんな気持ちでこれを作って
響に持たせたんだろう


響はどんな気持ちで
これを届けてくれたんだろう


達ちゃんが来なかったら
響と二人で食べていたのかな


響は
達ちゃんにあんな風に言われて


今、何を考えているのかな






“今でも莉子のことが好きなんじゃないかな”


“莉子、信じてる”


達ちゃんが言ったその言葉が
頭の中でリピートする



私はその夜お母さんが作ってくれた茶碗蒸しを
一人で2つとも食べた


その二日後
私は退院した

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