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いつまでも、何年経っても切なくて

第21章 信じてる

莉子の誕生日の日


俺は仕事が休みでずっと渡せなかったアネモネの指輪を見つめながら莉子のことを思っていた


莉子は幸せって言ってた...
俺たちはもう本当に終わってしまったのだろうか


その時
携帯が鳴った


相手は莉子のおばさんからだった

一つ言い忘れていたことがあるの、と



「莉子に恋人がいるの知ってる?

小野寺さんって方なんだけど


今日、莉子の誕生日に



プロポーズするって言ってたの...



なんだか響君に言わなきゃいけない気がして」




莉子が結婚?




俺じゃない相手と




結婚するのか...?





そんなの





絶対





許さない...




莉子と結婚するのは



この俺だ





俺は何も考えずに莉子の部屋へ向かっていた


インターホンを鳴らしても出てこなかった
電気もついていなかった



アイツと出掛けたのか...

もうプロポーズされたのかな

俺は莉子の誕生日が終わる0時まで部屋の前で待っていた


でも、莉子は帰って来なかった



“おめでとう、莉子”
そう呟いて郵便受けから指輪を入れた



アイツに見られてもいい





莉子は


返してもらう




今度はちゃんと想いを伝える
決意を固めた




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