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いつまでも、何年経っても切なくて

第23章 もう離れない、離さない

私は響の家に来ていた
初めて入る響の部屋にドキドキしてしまう


ワンルームで殺風景な
でも落ち着く部屋


響の匂いがする...


ふとベッドの枕元の棚を見ると

置時計と並んで響と私の二人で写っている写真とプリクラが飾ってあった


私はベッドに腰をかけてそれを手に取った


『響...これ...』


「あぁ、写真は付き合ってる時

この時の莉子の顔、すんげー可愛い」


『このプリクラは私達が

離ればなれになる少し前に撮ったやつだね』


「あぁ、この時莉子は
どんなことを考えてたかなぁって


俺が居なくなることを寂しいって思ってたか読み取ろうとしたけどわからなかったよ


やっぱり常に一緒に居たからって
相手の気持ちが全部わかるかって言ったらそうじゃなかった


言葉にして発しないと
伝わらないどころか気付いてももらえない


莉子と離れて学んだことは沢山あるから
けして無駄にはしないから


俺らが一度別れたこと。










離れていた間の分も取り戻すくらい


これからもっともっと


莉子を愛していくから...」

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