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いつまでも、何年経っても切なくて

第1章 憧れてた人

響の部屋は窓を開ければすぐだ。お互いの窓を開ければ行き来できる。というか行き来している。


今もいつの間にか隣に座っている。
響は鋭い人。私が落ち込んでいるのをお見通し。


いつもそうだ。私に何かあった時、必ずと言っていい程傍にいてくれる。親よりも一緒にいるんじゃないかと思ってしまう。


私は響に涼ちゃんが好き、と言ったことは無い。
それなのに、響は言う。


「そんなに好きだったのか?」と。そんなこと聞いているけど、どれだけ私が涼ちゃんを好きだったのかなんてわかっているのだろう。


響には口癖がある。私が泣くと、「バカ莉子」を連発する。


私はどんなに悲しくてもそれを聞いているうちに何故だか笑ってしまうんだ...。

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