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いつまでも、何年経っても切なくて

第1章 憧れてた人

「バカ莉子ッ」

グズッグズッ...

「もう泣くな、バカ莉子」


『バカじゃ...バカじゃないもんっ』


「だって馬鹿だろ、隣に住んでる年上の男を好きになるなんてよくある話だし。初恋じゃなくてそんなのよくある恋に恋しただけだろ。バカ莉子」


ただ年上男に憧れてたんだよ、と響は言い切ってしまった。


小さい頃からそうだった。ずっと傍にいる響が言えば、嘘でも本当にそうなんだと思えるのだ。


この時も、あんなに泣いた後なのに、憧れてただけだったんだろうか?そう思ってしまう自分が何だか可笑しかった。

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