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いつまでも、何年経っても切なくて

第2章 大切な人

その日の夜、私は、眠れなかった...ということもなくすっきりと次の日の朝を迎えた。


『お母さんいってきまぁす!』と玄関を開けるといつものように、響が家の門にもたれるように立っていた。


「はよ。ちゃんと寝たのか?」


『ちゃんと寝たよ。響のおかげで立ち直りも早いみたい。』


と言って笑った私に響も目を細めて笑った。


響がいなかったら、私、もっと泣いていたのだろうか...。もっと憧れを引きずっていたのかな...?


「次こそはちゃんとした初恋しろよ。」と響は私の頭にポンポンと優しく触れた。

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