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いつまでも、何年経っても切なくて

第7章 二人の想い出

「これ...」響が包みの中に入っていたものを取り出した。


それは私が泊まった温泉で販売している入浴剤だ
つまり...響も温泉に入った気分になってもらおうと考えて選んだのだった...


だけど、あまり嬉しそうじゃないなぁ...


「まっ、期待してなくて良かったよ...ありがと...」


何ですか、その反応は!
『ちょっと、もっと嬉しそうにできないの?』


「悪い、俺、お前に嘘つきたくない...」


イヤイヤイヤ...


「ん?ちょっと待て...」と響は入浴剤の裏を読み出した。


そして、ニヤリとして
「なぁ莉子、お前ここを見て俺にこれを選んだのか?」


見てみろよ、と指で示された場所には効能:性欲増進、精力増強と書かれていた。


『ちっ、違うし!』という反論も虚しく...


「なんだ、物足りなかったんなら素直に言えよ、今から俺にこんなもん買って来たことを後悔させてやるよ」


そう言ってまた私を翻弄し始めた。

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